遺留分・遺言書の保管について

家族のために良かれと思って書いた遺言書が、かえってトラブルの火種になってしまうことがあります。その大きな原因の一つが『遺留分』です。今回は、遺言を書く遺留分の注意点と、遺言書を確実に家族へ届けるための保管方法について解説します。

遺留分とは?
例えば、相続人うち一人だけに「全財産をあげる」という遺言を書いていた場合、他の相続人は全く財産を受け取ることができないのでしょうか。実はそうではありません。

遺言書がある相続でも、一部の相続人には法律上取得することが保障されている相続財産の割合があります。それを「遺留分」と言います。
遺言書を書く場合には、この遺留分について配慮することが円満な相続のポイントです。

★遺留分がある相続人と遺留分割合
遺留分の割合は、誰が相続人になるかによって異なります。

【具体例】父Aが「子Cだけに全財産を相続させる」という遺言を遺した場合でも、妻Bと子D、子Eには以下の遺留分が認められます。

・妻Bの遺留分   1/2(法定相続分)×1/2=1/4
・子DとEの遺留分 1/2×1/3(法定相続分)×1/2=1/12

★Bの遺留分は4 分の1 、DとEの遺留分はそれぞれ12 分の1となります。

『遺産がもらえない!』と分かったらどうする?
遺産を受け取れなかった、または受け取った遺産が遺留分よりも少なかった場合、納得できない相続人は遺留分を侵害している人に対して「遺留分侵害額請求」を行い、相当額を金銭で請求することができます。

先ほどの例では、他の相続人が子Cに対して「遺留分に満たないので、その不足分をお金で支払って欲しい」と請求することになります。

請求方法と請求期限(時効)
遺留分の請求方法には、特別な決まりはありませんが、言った・言わないのトラブルを防ぐため、一般的には内容証明郵便などの書面で通知を行います。

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所へ調停の申し立てをすることも可能です。

また、この請求権には期限があるため注意が必要です。
・相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年間
・相続開始の時から10年間

思いを伝える『付言事項』
「家を継ぐ子どもに自宅を渡したい」など、どうしても平等に分けられないという事情があることにあるでしょう。
その場合は、どうしてそのような分け方にしたのかという理由を「付言事項(ふげんじこう)」として書き添えることをお勧めします。
・家族に対する感謝のことば
・そのような遺言内容に至った経緯や親としての願い

「付言事項」は法的には効力はありませんが、遺された家族の心情に訴えかけ、納得感を生むことでトラブルを未然に防ぐ力となる場合があります。

遺言書の保管:後悔しないための保管場所選び
せっかく書いた遺言が見つからなかったり、改ざんされたりしては意味がありません。

【公正証書遺言の場合】(最も安全・確実)
原本が公証役場で保管されるため、紛失や改ざんの心配がありません。平成元年以降の作成であれば、全国の公証役場で検索・照会が可能です。

【自筆証書遺言の場合(自宅保管 vs 法務局)】
自宅(金庫や仏壇など)での保管は、発見されないリスクや、不利な内容を見た親族による破棄・改ざんのリスクが伴います。そこで活用したいのが、令和2年から始まった「自筆証書遺言書保管制度(法務局)」です。

【法務局保管のメリット】
・検認が不要:自筆証書遺言は家庭裁判所での「検認」が必要ですが、法務局保管なら不要になります(相続人の負担激減)。
・通知制度:遺言を書いた方が亡くなった際、あらかじめ指定した人に通知がいく仕組みがある。

Q&A:貸金庫に入れても大丈夫?

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公正証書遺言の検索をお手伝いします
当事務所では、亡くなった方が遺言書を遺しているかどうかの照会(公正証書遺言検索)のお手伝いをしております。
・遺言書があるはずなのに見つからない
・相続の手続きをどう進めればいいか分からない

このようにお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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