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親の預金はおろせるか?
板橋の相続専門行政書士 中田です。
お盆です。
夏休みを取っているという方も多いでしょう。
また、コロナが流行してから初めて規制のないお盆休みとなり、故郷へ帰省されている方もいらっしゃると思います。
今まではいつでも帰れると思っていたけれど、それが許されない状況があるというのを初めて体験しました。
普通がいかに大切かを改めて感じさせます。
先日、母にゆうちょの定額貯金を解約してきて欲しいと頼まれました。
定期性の預金を家族といえど本人以外が解約できるのか?
「多分、無理だと思うけど一応相談してみるね」
と近所のゆうちょ銀行の窓口に相談に行きました。
当然ですが、窓口では
「ご本人が来れない理由はなんですか?」と聞かれます。
母が窓口に行けない理由は「足腰が弱いため、郵便局まで歩けない」ということです。
判断能力は通常より低下しているものの、自分がやることはきちんと分かっています。
私の母のように窓口まで行けない高齢者は多いと思います。
当然断られるだろうと思っていたところ、
①委任状で対応できるケース
②委任状不要で対応できるケース
があるということで
定額貯金を解約して本人の通常貯金の口座へそのまま入金する場合には②となることを教えてもらいました。
もちろんですが、それなりに書類を整える必要があります。
多くの銀行では、事前に親族が取引できるよう代理人登録をしておくという制度があります。
ただし、本人が窓口で手続きをしなくてはならないなど、窓口に行けない方にとってはハードルが高い。
銀行側も正しい取引のため、本人確認や本人の判断能力を見極めるためにも厳格に手続きを進めなくてはならないのでしょうが、家族にとっては使い辛い制度です。
元気で銀行に行けるうちは良いですが、皆さん困るのは動けなくなってから。
なかなか事前に手続きしておこうと気を回しておける方は少ないのではないかと感じます。
そんな制度が使えるということすら知らない方も多いと思います。
「普通に出来る」ということは当たり前ではないということをしみじみ感じます。