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今どきの相続事情②「立て続けに相続が起こった!!」

板橋の相続専門行政書士 中田です。

 

今どきの相続事情 その2です。

 

【ご相談】

叔母が亡くなり父が相続人となることが分かりました。

叔母には借金があったため、父は相続を放棄しようかと検討していたところ2ヶ月後に亡くなってしまいました。

子供である自分は叔母の相続人にもなるため、叔母の相続は放棄したいと思っています。

そうなると父親の相続はどうしたら良いのでしょうか。

 

【回答】

お父様は兄弟の相続について承認するか放棄するかを3ヶ月以内に決める必要がありました。

※この3ヶ月の期間を「熟慮期間」といいます。

本来であればこの熟慮期間内に叔母様の財産状況を調査し、放棄を決めた場合には家庭裁判所に対して手続きをおこなう必要があります。

放棄するかどうかは相続人ごとに判断することになります。

もし財産が複雑で3ヶ月では調査が間に合わないという場合には「もう少し熟慮期間を延ばしてください」という手続きを取る必要があります。

 

相続人が熟慮期間中に承認または放棄の判断をしない間に亡くなり、次の相続が発生することを「再転相続」と言います。

 

お子様としては

①叔母の相続は放棄したい

②父の相続は承認したい

と考えています。

 

 

 

2人の相続を放棄するか承認するかを、どのような形でも自由に決められるわけではありません。

 

2人とも承認する、2人とも放棄する、ということは可能です。

ただし、放棄する場合には期限に注意する必要があります。

 

今回のご相談者のご希望については手続き可能ですが、期限内に叔母様の相続について放棄の手続きをする必要があります。

 

そうなると叔母様の相続についての期間内(熟慮期間)とは、どこからカウントすれば良いのか?という問題が浮上します。

 

民法では

「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」という難しい言い回しになっています。

 

今回、お子様の熟慮期間の開始時点ですが

①叔母様の相続について

本人が父の相続人としての地位を自分が承継した事実を知った時点から開始

叔母様が亡くなった日から3ヶ月ではないということです。

 

②父親の相続

父親の相続開始日から開始

 

となります。

①は令和元年8月9日の裁判 で最高裁により判断されています。

ご興味ある方は読んでみてください。

ちょっと複雑な判例ですがポイントの部分には下線が引いてあります。

 

② お父様については亡くなった時点からカウント

今回のように父の相続を承認するのであれば何もしなくて良いです。

 

こんなこと滅多にないだろうと思うかもしれませんが、これからはこのようなケースも多くなってくると思います。

 

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