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行方が分からない相続人がいる手続き
板橋の相続専門行政書士 中田です。
3月に入りました。
コロナは収束する様子もなく春を迎えようとしています。
来週は3回目のワクチンを受けてきます。
副反応が心配です。
相続手続きでたまにあるのですが、行方が分からない相続人がいる。
どこに住んでいるのか住所が分からないという程度ではなく、行方が全く分からない。
法定相続人の権利で相続人の戸籍の附票を取寄せて住民登録されている住所を確認してみる。
その住所に手紙を出しても、「この住所にこの人は住んでいませんよ」ということで戻ってきてしまう。
親戚で連絡を取っている人や知り合いに問い合わせても誰も知らない。
遺言書があれば良いのですが、遺言書がないと預金も下ろせず、不動産の名義書換も出来なくなってしまいます。
「手続が進まなくなってしまう・・・どうしよう」
そんな時
「不在者財産管理人」
を立てるという方法が取れます。
「取れます」と言っても簡単ではありません。
家庭裁判所に対して
「この人が行方不明で遺産分割が出来ません。
この人の代わりに遺産分割協議に参加してくれる人を選任してください」
と請求するのです。
「不在者財産管理人」とは、行方の分からない方の財産をその後管理していく人です。
不在者財産管理人が遺産分割協議へ参加するというのは、特別な仕事になるなので、
「本人の代わりに財産を管理して、遺産分割協議にも参加してくれる人を選任してください」と申請することになります。
行方が分からないという定義も厳しく定められれています。
どうしても見つからない相続人がいる遺産分割協議を進めるために
弁護士さんに相談したり、何とか頑張ってご自身で手続きを進める方もいらっしゃいます。
家庭裁判所への書類提出は司法書士さんもお手伝いできます。
私がご相談いただいた場合は、どの専門家がふさわしいか、それぞれのご家族の状況にもよるため、ご家族の意向をお伺いしたうえでご紹介しています。
行方不明の人がいる場合の手続きは、通常の遺産分割協議よりも期間が掛ってしまうことが予想されます。
一家の大黒柱が亡くなった場合にはご家族が預金を下せず困ってしまいます。
現在では一定額であれば銀行も遺産分割前の払い戻しに対応してくれています(相続預金の払戻制度)が、それだけでは全てを解決できません。